ザガーロは本当に髪が増える?発毛効果と「抜け毛を減らす」作用
「ザガーロを飲むと本当に髪が増えるのでしょうか?」
AGA治療を検討している人にとって、非常に気になる疑問です。
結論からいうと、ザガーロは単に抜け毛の進行を抑えるだけではなく、臨床試験で毛髪数の増加や毛髪の太さの改善が確認されているAGA治療薬です。
PMDAの審査資料では、デュタステリド0.1mg・0.5mgについて、男性型脱毛症患者に対する**「発毛効果」および「脱毛(抜け毛)の進行予防効果」**がベネフィットとして整理されています。
一方で、「飲めば新しい毛根が次々に作られる」という意味ではありません。
ザガーロの有効成分デュタステリドは、AGAの進行に関係するDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑え、AGAによって細く短くなっていく毛髪の状態を改善する方向に働きます。日本皮膚科学会も、男性型脱毛症に対するデュタステリド内服を推奨度Aとして強く推奨しています。
この記事では、
- ザガーロで本当に髪が増えるのか
- 「発毛」と「抜け毛を減らす」の違い
- 臨床試験では何本増えたのか
- なぜザガーロで毛髪が増えるのか
- どのように効果を判断すればよいのか
をわかりやすく解説します。
ザガーロは「抜け毛を減らすだけ」の薬ではない
AGA治療薬について、
「ザガーロは抜け毛を止める薬であって、髪を生やす薬ではない」
という説明を見かけることがあります。
これはザガーロの作用機序を説明する言葉としては一部理解できますが、臨床的な効果を説明するには不十分です。
PMDAの承認審査資料では、デュタステリド0.1mg・0.5mgについて、
発毛効果
+
脱毛(抜け毛)の進行予防効果
の両方が確認されたと整理されています。
さらに、臨床試験では単に「抜け毛が減った」という患者の感覚だけではなく、
- 毛髪数
- 硬毛数
- 毛髪の太さ
- 頭部写真
- 医師・専門家による評価
などを用いて効果が検証されています。デュタステリド0.1mg・0.5mgでは、毛髪数や育毛評価についてプラセボより有意な改善が確認されています。
したがって、ザガーロは、
「抜け毛を減らす薬」だけではなく、「AGAによって失われつつある毛髪の成長状態を改善し、結果として毛髪数や太さの改善につながる薬」
と理解する方が正確です。
ザガーロで本当に毛髪数は増えた?
はい。
ザガーロの承認に用いられた国際共同第II/III相試験では、日本を含む9か国の男性型脱毛症患者を対象に、デュタステリドとプラセボ、フィナステリドが比較されました。
24週間後の頭頂部の一定範囲における毛髪数の変化量は、次のようになっています。
| 投与群 | 24週後の毛髪数変化 |
|---|---|
| プラセボ | -4.9本 |
| デュタステリド0.02mg | +17.1本 |
| デュタステリド0.1mg | +63.0本 |
| デュタステリド0.5mg | +89.6本 |
| フィナステリド1mg | +56.5本 |
デュタステリド0.1mgおよび0.5mgではプラセボに比べて有意に毛髪数が増加し、0.5mgではフィナステリド1mgに対する優越性も検証されました。
この結果からも、ザガーロを「抜け毛を止めるだけの薬」と表現するのは正確ではありません。
臨床試験上、実際に毛髪数の増加が確認されています。
ただし、この「+89.6本」などの数字は試験で定められた頭頂部の一定範囲を測定した集団平均値です。
「ザガーロを飲めば誰でも89.6本増える」という意味ではありません。
日本人でも毛髪数の増加は確認されている
国際共同試験では、日本人患者についても個別に解析されています。
PMDAの審査資料によると、24週時点の日本人部分集団における毛髪数の変化量は、
- プラセボ:-17.3本
- デュタステリド0.02mg:+0.4本
- デュタステリド0.1mg:+39.4本
- デュタステリド0.5mg:+68.5本
でした。
0.1mgと0.5mgでは、日本人部分集団でもプラセボに対する優越性が確認されています。
したがって、日本人男性についてもデュタステリドによる毛髪数の改善が臨床試験で確認されています。
1年間飲んでも発毛効果は続く?
国内では、男性型脱毛症患者120例を対象として、デュタステリド0.5mgを52週間投与する長期試験も行われています。
頭頂部の直径2.54cmの円内における毛髪数は、
26週後:平均+87.3本
52週後:平均+68.1本
でした。
PMDAの資料では、26週時に認められた改善効果、すなわち発毛効果が52週時点でも持続していたと評価されています。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、この国内52週間試験について、毛髪数・硬毛数・毛髪の太さが増加したことが紹介されています。
つまりザガーロは、数週間だけ一時的に毛髪を増加させる薬として評価されているのではなく、数か月から1年間という時間軸で発毛・育毛効果が検討されているAGA治療薬です。
なぜザガーロで髪が増える?
ザガーロの有効成分デュタステリドは、1型・2型5α還元酵素の両方を阻害する薬です。
5α還元酵素は、男性ホルモンのテストステロンをDHTへ変換する酵素です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、デュタステリドは1型・2型双方の5α還元酵素を阻害する薬として説明されています。
AGAではDHTの影響によって、毛髪が十分に成長する前に細く短くなっていく「毛包のミニチュア化」が進みます。
ザガーロはこの流れの上流に作用します。
テストステロン
↓
5α還元酵素
↓
DHT
↓
AGAによる毛髪への影響
このうち、ザガーロは5α還元酵素を阻害してDHTを低下させることでAGAに作用します。PMDAの審査資料では血清中DHTの低下と毛髪数の変化との間にも相関が確認されています。
その結果として、
AGAの進行を抑える
↓
毛髪が成長できる期間を取り戻す方向へ働く
↓
細くなっていた毛髪の状態が改善する
↓
毛髪数や太さの改善につながる
と考えると理解しやすいでしょう。
「発毛」と「抜け毛抑制」は別々の作用?
完全に別々の作用というより、同じ作用機序から生じる二つの結果として考えるとわかりやすくなります。
ザガーロの基本作用はDHTの生成を抑えることです。
その結果として、
1.AGAによる脱毛の進行を抑える
DHTの影響を抑えることで、AGAによって毛髪が細く短くなっていく進行を抑制する方向に働きます。
2.毛髪の状態が改善する
AGAの影響を受けていた毛髪が成長しやすくなることで、臨床試験では毛髪数、硬毛数、毛髪の太さなどの改善が確認されています。
したがって、
抜け毛を減らす
→ 毛髪を維持する
→ 毛髪数・太さが改善する
という一連の流れとして捉えることができます。
ザガーロは「発毛剤」と呼んでいい?
「発毛剤」という言葉は使い方に注意が必要です。
ザガーロの正式な効能・効果は**「男性における男性型脱毛症」**で、有効成分はデュタステリドです。現在PMDAで公開されているザガーロカプセル0.1mg・0.5mgの添付文書は2025年8月26日版です。
一方、承認審査資料では明確に「発毛効果」が評価されています。
そのため、
「ザガーロには発毛効果が確認されている」
という表現は臨床試験結果に基づいています。
しかし、
「毛根を新しく作る薬」
「飲めば誰でも新しい髪が生える薬」
と理解するのは適切ではありません。
あくまでAGAに関与するDHTを抑制し、AGAによって悪化した毛髪の成長状態を改善する薬です。
毛髪数だけでなく「太さ」も重要
AGAでは、単純に毛髪が0本になる前に、まず毛髪が細く短くなっていきます。
そのためAGA治療では、
何本あるか
だけでなく、
どれくらい太い毛髪があるか
も重要です。
デュタステリドの国際共同試験では、毛髪数だけでなく硬毛数と毛髪の太さの合計についても評価され、0.1mg・0.5mg群でプラセボに比べ有意な改善が認められました。
これは、
「本数はそれほど変わっていないように感じるのに、以前より頭皮が見えにくくなった」
という変化を考えるうえでも重要です。
AGA治療の効果は、本数だけで判断するものではありません。
抜け毛が減ったらザガーロが効いている?
抜け毛の減少は治療経過を見る一つの材料になります。
実際、ザガーロの市販後使用成績調査では、有効性の評価に、
- 毛髪の量
- 毛髪の太さ
- 抜け毛の量
- Norwood-Hamilton分類
などが使用されています。
ただし、
「今日は20本しか抜けなかったから効いている」
「今日は50本抜けたから効いていない」
といった日単位の判断は適切ではありません。
AGA治療では数か月単位の変化を見ることが重要です。
髪が増えたか確認するには写真がわかりやすい
ザガーロの効果を自分で確認するときは、治療開始前から写真を残しておくと比較しやすくなります。
例えば、
- 正面
- 生え際
- 頭頂部
- 左右
を、
同じ場所
同じ照明
同じ角度
同じ髪型
同じ距離
で撮影します。
そして、
治療開始前
→ 3か月
→ 6か月
→ 1年
と比較します。
臨床試験でも頭部写真を用いた専門家評価が行われており、デュタステリドによる発毛効果が確認されています。
毎日鏡を見るより、数か月前の写真と比較する方が変化を把握しやすい場合があります。
3か月で髪が増えなくても「効かない」とは限らない
デュタステリドの臨床試験では12週時点から毛髪数の増加が確認されていますが、効果の現れ方には個人差があります。海外第II相試験では12週・24週の双方で毛髪数が評価され、デュタステリドによる用量依存的な改善が確認されています。
したがって、
3か月=効果が完成する時期
ではありません。
治療開始後の早い段階で、
「まだフサフサにならないから効いていない」
と判断するのは適切ではありません。
AGA治療では数か月単位で経過を見る必要があります。
ザガーロを飲めば誰でも髪が増える?
いいえ。
臨床試験で平均的な毛髪数の増加が確認されていても、すべての人が同じように改善するわけではありません。
国内52週間試験でも毛髪数の変化には患者ごとの幅があり、平均値だけで個人の結果を予測することはできません。
また、ザガーロは男性型脱毛症を対象とした薬です。日本皮膚科学会は男性型脱毛症に対するデュタステリド内服を推奨度Aとする一方、女性型脱毛症に対しては推奨度Dとして使用すべきではないとしています。
薄毛の原因がAGA以外の場合には、ザガーロとは異なる対応が必要になることがあります。
「抜け毛が減る」と「髪が増える」はどちらが先?
臨床試験は集団として毛髪数や太さなどを一定時点で評価したものであり、すべての患者で「まず抜け毛が減って、その後に発毛する」という一定の順番が証明されているわけではありません。
したがって、
「抜け毛がまだあるから発毛しない」
「抜け毛が減ったから必ず髪が増える」
と単純に判断しないことが重要です。
ザガーロの効果は、
AGAの進行状態
+
毛髪数
+
毛髪の太さ
+
写真による外観
などを数か月単位で総合的に評価するのが適切です。臨床試験でも複数の評価項目が用いられています。
ザガーロとフィナステリドでは発毛効果が違う?
国際共同第II/III相試験では、24週時点の毛髪数の増加量は、
デュタステリド0.1mg:+63.0本
デュタステリド0.5mg:+89.6本
フィナステリド1mg:+56.5本
でした。
0.1mgと0.5mgはいずれもフィナステリド1mgに対する非劣性が確認され、0.5mgではフィナステリド1mgに対する優越性も検証されています。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、デュタステリド0.5mgとフィナステリド1mgを比較した試験について、全毛髪数と毛径の増加ではデュタステリドが優れた結果を示したと紹介されています。
ただし、これだけを理由に「すべての患者でザガーロの方がよい」と判断することはできません。
薬剤選択は、AGAの状態や治療歴、副作用なども踏まえて医師と検討します。
ザガーロの「発毛効果」についてよくある質問
ザガーロは本当に髪が生えますか?
臨床試験では毛髪数、硬毛数、毛髪の太さなどの改善が確認され、PMDAの審査資料でも「発毛効果」が認められています。
ただし効果には個人差があります。
ザガーロは抜け毛予防だけの薬ですか?
いいえ。
PMDAの審査資料では、デュタステリド0.1mg・0.5mgについて発毛効果と脱毛(抜け毛)の進行予防効果の両方がベネフィットとして示されています。
ザガーロ0.5mgでは何本増えますか?
国際共同試験では、24週時点の頭頂部の一定範囲内における毛髪数の変化量は平均+89.6本でした。国内52週間試験では、0.5mg投与で52週時点に平均+68.1本でした。
測定範囲や試験条件が定められた臨床試験の平均値であり、個人の発毛本数を保証する数字ではありません。
毛髪の太さも変わりますか?
臨床試験では毛髪数だけでなく、硬毛数や毛髪の太さについても改善が確認されています。
AGAでは細くなった毛髪の改善も重要な治療評価項目です。
1年間飲み続けても効果がありますか?
国内52週間試験では、26週時点で認められた発毛・育毛効果が52週時点でも維持されたことが確認されています。
ただし、長期服用の必要性は治療効果や安全性を確認しながら判断します。
まとめ|ザガーロには「抜け毛抑制」と「発毛」の両方が確認されている
「ザガーロは本当に髪が増えるのか?」という疑問に対しては、
臨床試験では、毛髪数の増加が確認されています。
と答えることができます。
PMDAの審査資料では、デュタステリド0.1mg・0.5mgについて、
発毛効果
+
脱毛(抜け毛)の進行予防効果
の両方が示されています。
24週間の国際共同試験では、毛髪数の変化量は、
- デュタステリド0.1mg:+63.0本
- デュタステリド0.5mg:+89.6本
- フィナステリド1mg:+56.5本
でした。
さらに国内52週間試験でも、デュタステリド0.5mgで52週時点に平均68.1本の毛髪数増加が確認され、発毛効果が維持されていました。
ただし、ザガーロは「飲めば誰でも新しい髪が大量に生える薬」ではありません。
より正確には、
DHTの生成を抑える
↓
AGAによる脱毛の進行を抑える
↓
毛髪が成長しやすい状態へ改善する
↓
結果として毛髪数・太さの改善につながる
という薬です。デュタステリドは男性型脱毛症に対して日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度Aとされています。
したがって、ザガーロ治療では「抜け毛が何本減ったか」だけではなく、数か月単位で毛髪数・太さ・頭部写真を総合的に比較することが重要です。
※本記事はザガーロ(デュタステリド)に関する一般的な医療情報の提供を目的としています。実際の診断、処方、用量変更、服用継続・中止については医師に相談してください。
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